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自分のためだけの人生って

本当に幸せなのかなって思ってきちゃった 

Izumi keiko

Vol.02

​泉恵子

生年月日:1999年7月16日

年齢:22歳

出身地:青森

家族構成:父親、母親、姉の4人家族

職業:就職活動中

Q.嫌いな食べ物

A.パクチー。

Q.毎日必ずすること 

A.最近買った豆苗に水をやること。
Q.忘れられない記憶 

A.修学旅行で見た沖縄の夜空。

Q.得意なこと

A.雨の気配を感じ取ること。
Q.10年後の自分は何していると思う
A.結婚して、子育て。

Q.5000万円もらったら何に使う

A.一括で一戸建てを買う。

Q.特別な能力を持つならどんな能力を持ちたい 

A.1日を48時間にできる能力。

自分らしさをただ追求することって

本当にいいことなのかな。

自分のためだけの人生って本当に幸せなのかなって

思ってきちゃった。

私の両親は農家を営んでいるので、

自分の周りも農業関係の人が多かったんです。

その影響もあって、私もお姉ちゃんも農業高校に入ったんです。

お姉ちゃんは高校卒業したら両親の農家を手伝って、

両親と一緒に農家を支えています。

中学3年生の時って、

ちょうど進路が変わるところじゃないですか、

そういう時に自分の地元に限らずかもしれないですけど、

みんな同じ道をたどるみたいなのがあって。

ここの幼稚園行って、ここの小中学校行って、ここの高校行くみたいなルートが決まっている。

東京だったらもっと高校とかも選べる。

学園ドラマとか見ると、

こんな可愛い制服は地元にはないし、

選べるような選択肢もないから、なんかなって思い始めました。

今思うと、

東京に行きたいちゃんとした根拠みたいなのがなかったから、

大学で東京にきてすごい悩んでいるなと思います。

東京で生活しようと思って出てきたけど、

就活を前にしたら、青森に戻った方がいいのかなって。

拠点すら危うくなっているなって

なんか、どうしたらいいんだろう。

前は東京は憧れの場所だったから「好き」っていう

感じだったけど、

住んでみると地方からいろんな人たちがくる理由みたいなのが

わかってきて、いろんなところが、

毎月行くたびにどんどん変わっていく。

新しいものをどんどん取り入れているっていうか。

いいものは続けて、よくないものはどんどん変わっていく。

変わっていくっていうのが東京の魅力なのかなって

東京はみんなが輝ける場所だからこそ、

そこの空間に新しいものがどんどん生み出される刺激のある場所じゃないですか。

だからみんなそこに飛びつきやすい。

でもそれにばっかり取り憑かれちゃって、

自分を振り返ったりとか

考えたりする時間がなくなっているって気がして

SNSとかもそうですが、それ自体は良いものだと思うですけど、

使い方が良くないと思います。

考える時間がないっていうのがSNSの存在が

良くも悪くも影響しているのかなって。

就活をはじめて、今まで自由にやってきて、

自分がいざやりたいことを選択できるようになって、

何がしたいんだろうって。

働くって結局は誰かのためだと思うんですけど

そういうスタンスで生きてこなかった大学生活が、

なんか空っぽになってしまった。

「自分は何がしたい?」このままで何になるんだろうっていう。

自分だけをみて生きてきたことによって、

振り返ったら何もないことに気付いたんです。

なんか傷付いたってよりはハッとさせられた感じで。

自分らしく生きるとか、自由を求めるってのは大切なことだけど、

それ以上にみんなと調和して生きていく方が、

自分はそういうのに心地よさを感じるっていうか。

そうなりたいって思いました。

自分が自分らしさを求めて上京してきたから、

そこも本当に正しいのかなってモヤモヤしていて。

今の社会の風潮は「自分らしく」みたいなのを後押しするみたいな空気感。

自分らしさをただ追求することって本当にいいことなのかな。

自分のためだけの人生って本当に幸せなのかなって思ってきちゃった。

私は誰かと関わりながら誰かのためになることが生きるってことだと思うんです。

そこのベースが違うと全部の考えが変わってきちゃうと思う。

自分はどんなことができるのかっていうか。

今までいろんな人に支えられて、

大きくなった体でどんなことが周りに還元できるんだろうって

考える時間が必要だと思うんです。

たくさん溢れた選択肢の中で、

自分の一番良い人生を歩むとなったら迷子になると思う。

「良い」ってなにかわからないじゃないですか。

最後に「泉恵子」をあなたはどうみていましたか?

第一次産業がある環境下で生きているのは、むちゃくちゃ恵まれているな思うんですよ。

そういう環境がないと直接関わることは難しいじゃないですか。

この子はどっちも選べるところにいる。

農家で働くこともできるし間接的に携わることもできるから

自分が限られた空間にいるんだろうとか思わずに、

もっと自分の今の運命みたいなのを楽しんで欲しいなと思います。

それぞれみんなが自分の今ある、与えられた運命を楽しめるのが一番。

だから私はこの人が羨ましいと思うけど、自分がダメとも思わない。

自分ももっと楽しく生きようと思う感じです。

2020年9月27日午前9時57分 35°40'18.0"N 139°28'47.3"E

企画:川村拓希

取材:松井亜衣

撮影:川村拓希

デザイン:綛村夏生

スタイリング:門脇玖瑠実

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